2020-07-16更新

聴力低下と騒音作業

人間工学専門家●石川文武

 加齢に伴って「耳が遠くなる」と感じている方が多いと思います。ちょっと変な日本語ですね。「音が聞き取りにくい」が正しい表現でしょう。音は周波数(高い音、低い音)と音圧(大きい音、小さい音)で構成されています。加齢に伴って周波数の高い音と音圧の小さい音が聞こえにくくなってきます。
 一般的に40歳を過ぎると高い音から聞こえにくくなるといわれ、50歳を過ぎる頃から高い音はさらに聞こえにくくなり、低い音も聞こえにくくなってきます。聞こえにくさの進行度は個人差が大きいのですが、高い音ほど聞こえにくさが強くなるといわれています。図は各種難聴の聴力の型を示しており、老人性難聴はdのような傾向があります。図は、遮蔽(しゃへい)された室内での聴力検査結果に基づくものですが、実際の作業現場では、さまざまな会話や反響などもあり、聞き取り度の低下はもっと大きいといわれています。普通の会話では20代を100としたときと比べて80代では85%程度の低下ですが、会話中に他の音が入る場合は35%程度まで低下するというデータもあります。
 農作業では、エンジンなどの音が大きく、大切な情報を聞き逃したり、聞き間違えたりして、事故に結び付くことが増えてきます。聞き取りにくさは、加齢によるだけではなく、過去の職場環境も影響します。騒音職場での従事が長い場合には図のbのような聴力の型になります。騒音による聴力への影響を抑えるために、耳の保護具を使うことをお勧めします。耳栓よりイヤマフの方が効果はあります。保護具を装着しても会話などの音は普通に聞こえます。また、第三者が連絡などで作業者に接近するときは前方から近づき、あらかじめ決めた合図やボディーランゲージで用事があることを伝え、作業を停止してから会話をするようにしましょう。「止める手間」を惜しむと事故につながります。

図 各種難聴の聴力の型

※JA広報通信2020年7月号より

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